盗聴器を仕掛けたいといった場合、ほとんどの方は盗聴器をどのように仕掛けたら良いのか、どのようなことに気を付ければいいのか、よくわからないものだと思います。
今回は盗聴器を仕掛けたい場合に役立つポイントを、盗聴器専門店の視点から詳しく解説します。
このページの目次
法律と情報の扱い
盗聴をしようとする際にはどうしても法律が気になると思います。
盗聴とは具体的には「当人らに知られることなく会話を聞くこと」ですが、この盗聴自体を違法とする法律はありません。
盗聴に関する行為で違法となる可能性があるのは、不法侵入や器物損壊など仕掛ける際の違法行為と、プライバシー権の侵害など知り得た情報の不適切な取り扱いです。
盗聴器を仕掛ける際には、このような不法行為に当たらないように注意する必要があります。
不法侵入・器物損壊
盗聴器を仕掛けるために無断で他人の家や敷地に侵入したり、勝手に器物を損壊したり改造したりする行為は違法です。
プライバシーの侵害
盗聴で知り得た個人情報を第三者や公に公開する行為はプライバシーの侵害になる可能性があります。
盗聴で知り得た情報を利用して何らかの法的行動などを起こす際には、法律の専門家に相談しながら慎重に行うことをお勧めします。
盗聴の種類と仕掛けるポイント
盗聴は使う機器によって次のように分類されます。
- 盗聴発信器
- ボイスレコーダー
- コンクリートマイク
それぞれの盗聴機器の特徴を比較するとこのようになります。
それぞれについて詳しく解説します。
盗聴発信器を使った盗聴
盗聴発信器は仕掛けた付近の音声を内蔵のマイクで収音し、電波で送信する発信器です。音声を聞くときは電波が届く範囲内で盗聴電波対応の受信機を使用して聞きます。
無線式なので専門的な印象を受けますが、実際にはラジオのように簡単に使用できます。ただし、盗聴発信器はラジオとは異なる周波数を使用しているため普通のラジオで聞くことは出来ません。
リアルタイム性
室内の音声をリアルタイムで聞くことができます。
行われている会話を生で聞きたい場合、会話内容に応じてリアルタイムに対処が必要な場合、証拠撮影などタイミングを測りたいといった場合に有効です。
記録
受信機を使用して会話を聞くだけの場合は記録はできません。受信機に録音機を接続することで音声の記録も可能です。
受信機には録音機を接続できるものと出来ないものがあるので注意が必要です。組み合わせが不安な場合はセット商品から選ぶと安心です。
連続動作時間
連続動作時間は盗聴発信器と受信機の電池寿命に応じます。
電池式の盗聴発信器は電池寿命が連続動作時間となり、VOX機能を使用した場合は会話の量が少なければその分だけ連続動作時間が延びます。
コンセント式盗聴発信器は時間無制限に動作します。
受信機は電池の寿命が連続動作時間です。ACアダプタなど外部電源が使用できる受信機は連続動作時間は無制限です。
ボイスレコーダーを使った盗聴
ボイスレコーダーは周囲の音声を記録する録音機です。ボイスレコーダーを録音状態で仕掛け、後で回収し録音内容を聞いて確認します。
ボイスレコーダーを使用した盗聴は、必要な機材がボイスレコーダー本体のみのため構成がシンプルで分かりやすく、必要な初期費用も比較的安価です。
移動する車内の盗聴や遠方の盗聴などボイスレコーダーでなければ盗聴が実現出来ないケースがあります。
ボイスレコーダーは電波を発信しないため、盗聴発見器で見つかる心配はありません。
リアルタイム性
ボイスレコーダーは録音機なので、仕掛けて録音した後に回収し、録音された内容を聞いて確認します。
現在行われている会話をリアルタイムで聞くことはできません。
記録
ボイスレコーダーは周囲の会話を記録する録音機なので、収音した会話は本体内に電子的に記録されます。
本体に内蔵した半導体メモリに記録されるため、内容を消去すれば何度でも繰り返し録音ができます。
記録内容は電子ファイルとして簡単にパソコンへコピーして保管することができます。
連続動作時間
連続動作時間は電池の寿命に応じます。
ボイスレコーダーは電波の送信が不要なため、電池寿命は長い傾向にあります。特に最新のSVOS機能を駆使すれば非常に長時間の動作が可能です。
ACアダプタなど外部電源に対応した録音機を使用し、外部電源を接続できる仕掛け方が可能であれば内部メモリが一杯になるまで連続で録音できます。
コンクリートマイクを使った盗聴
コンクリートマイクは壁やドア、窓の向こう側の会話を聞くことができる盗聴器です。
普段私たちが耳にする音声の振動は空気を伝わる振動ですが、この振動は微弱ですが建物駆体などの構造物にも伝播します。この構造物に伝播した音声振動は微弱すぎて、例え人が構造物に耳を当てたとしても通常はほとんど聞き取ることは出来ません。
コンクリートマイクはこのような人が耳を当てても聞こえないようなかすかな音声振動を電子的に増幅し、人の耳でも聞こえる音声としてイヤホンに出力します。
コンクリートマイク本体に接続されたコンタクトマイクという物理的な振動を電子信号に変換する接触マイクを聴診器の要領で壁に当て、その場で会話を聞きます。
一般的に固い構造物のほうが振動を伝えやすいため、断熱材や防音材が挟まっていない内壁、ガラス窓、板、ドアなどを介した会話は良好に聞き取ることができます。
リアルタイム性
構造物に伝わる音声振動をそのまま聞くためリアルタイムに聞くことができます。
記録
聞くだけの機能を持ったベーシックタイプのコンクリートマイクは、その場で会話内容が聞くことは出来ますが記録はできません。
録音機が接続できるコンクリートマイクは、ボイスレコーダーなどの録音機を接続することで録音が可能です。
コンクリートマイクには本体に録音機能が内蔵されている機種もあります。この場合はコンクリートマイク単体で音声を聞いたり、必要に応じて録音することが可能です。
連続動作時間
連続して使用できる時間はそれぞれのコンクリートマイクの電池寿命に応じます。
録音機能を搭載したものは録音機能の使用の有無によって電池寿命が異なります。
最後に
今回は盗聴器を仕掛けたい場合に役立つポイントを、盗聴器専門店の視点から詳しく解説しました。
盗聴器には様々な種類がありますが、それぞれに独自の特徴があります。
また、盗聴をする際にはリアルタイム性、記録性、連続動作時間などは盗聴の目的によって優先すべき項目が異なります。
行いたい盗聴の目的や状況と盗聴器の特性を理解し、盗聴器を仕掛けたい時の最適な盗聴器の選択や盗聴方法の検討にお役立てください。