一般的に盗聴器というと、盗聴発信器のことを指します。
盗聴発信器は内蔵マイクで得た周囲の音声を、電波に変換して発信します。
この電波を離れた場所で受信して聞く事が一般的な盗聴の方法です。
今回はそのような盗聴発信器の電波の受信について解説します。
盗聴発信器は電波を発信する
盗聴発信器は付近の音声をマイクで集音し、それを電波として発信します。
電波(でんぱ、英: radio wave)とは電磁波のうち、比較的周波数の低いもの。日本の電波法などでは3000ギガヘルツ以下のものと定義される。
出典wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/電波
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「人工的なガイドなしで空中を伝搬する電磁波」であることを明確化している。
このように、電波は任意の周波数を使用し、空中を介して信号を送ることができます。
電波通信には使用周波数のほかに、アナログ信号なのかデジタル信号なのかの違いもあります。
盗聴発信器はアナログ信号を使用します。
強力な電磁波の中には人体に有害なものもありますが、盗聴器の電波は無害です。
ポイント
- 電波は空中を伝わる
- 盗聴電波はアナログ信号
- 盗聴電波は人に無害
周波数とバンド
盗聴発信器が発信する電波の周波数は3種類あり、これを業界ではAバンド、Bバンド、Cバンドと呼んでいます。
同じ品番の盗聴発信器でも、A〜Cのどれかのバンドの発信器になるため、実際には3種類が存在します。
(例)TAP-110のAバンドの製品
バンドと周波数の対応は次の通りです。
Aバンド | 398.605MHz |
Bバンド | 399.455MHz |
Cバンド | 399.030MHz |
周波数は電波を互いに個別のものとして扱うことができるチャンネルのようなものです。
周波数の同じ電波が同じ空間に複数存在すると混信が起き、電波が混ざり合ってしまうため、雑音になって聞こえなくなります。
周波数が違う電波であれば混信しないため、同じ空間に同時に存在してもそれぞれ影響を与え合うことがありません。
このような特性から、近い場所で複数の盗聴発信器を使用する可能性を考慮し、ABCの3バンドの盗聴発信器が用意されています。
ポイント
- 盗聴器が使用する周波数は3種類ある
- 3種類の周波数は分かりやすいようにABCとバンド名が付けられている
- 盗聴器が互いに電波が届く範囲内で複数存在してもバンドが異なれば混信しない
受信する方法
盗聴発信器から送信された電波を受信機で受信すると、盗聴器の会話を聞くことができます。
盗聴発信器の電波を受信して聞くためには、盗聴発信器が発する電波の周波数に対応した受信機が必要です。また、盗聴発信器の電波はアナログ信号なので、アナログ信号を受信できる受信機が必要になります。
聞く時は、仕掛けた盗聴器のバンドに応じて受信機を設定します。
- 汎用のマルチバンドレシーバーの場合には、手動で周波数を合わせます。
- 盗聴器用受信機の場合は切り替えスイッチをABCのいずれか、仕掛けた盗聴器のバンドに合わせます。
空中を伝播する電波は距離に応じて減衰しますので、受信する際には盗聴発信器の電波が届く範囲内で受信する必要があります。
ポイント
- バンドの選択などの操作方法は圧倒的に盗聴器用受信機のほうが簡単です。
- マルチバンドレシーバーは本体のメモリー機能などを活用することでABCの切り替えが比較的簡単になります。
- 当店が販売するマルチバンドレシーバーはメモリ設定済みです。
受信機について
盗聴発信器の電波を受信するには、盗聴発信器の電波に対応した受信機が必要です。
ラジオで受信できるのか
盗聴器の電波はラジオでは受信できません。
逆に考えると、最も一般的な受信機であるラジオでは聞こえないので安心とも言えます。
過去にはラジオで受信できる周波数を使用したモデルもありましたが、現在はありません。
使用できる受信機
使用出来る受信機は大別して汎用タイプのマルチバンドレシーバーと盗聴器専用受信機があります。
当店では操作が簡単で使いやすく小型で音質も明瞭な専用受信機を推奨しています。
まとめ
今回は盗聴発信器の電波の特性と、受信について説明しました。
電波を使用した無線通信なので、ややこしいと二の足を踏んでしまいそうですが、適合した機器同士を使用すれば想像以上に単純で、簡単に使用できますので心配は要りません。
電波の受信の成否は全て、適合した受信機を適切に使用できるかにかかっています。
もし盗聴発信器と受信機を同時に用意するのであれば、組み合わせから各種設定や通信テストまで完璧で届いたその日からすぐに使用できる当店のセット商品がお勧めです。
不明な点や相談がある方、アドバイスなどが必要な方はお気軽に当店までお問合せください。