盗聴といえば悪い印象がつきまといます。
違法でなくとも盗聴をする人のことを「盗聴犯」と呼び、「犯」という文字から犯罪行為の犯人だとイメージさせ、不安感を煽る業者サイトも沢山見かけます。
果たして盗聴はそれほどまでに悪いものなのでしょうか。
今回は盗聴器が実際にどのような場面で役に立っているのか、販売店の経験から紹介します。
盗聴とプライバシーの権利
まずはそもとも盗聴とな何なのか、そして盗聴は情報を得ることなので、それに関わるプライバシーの権利について考えてみます。
盗聴とは
まずは盗聴の意味について整理します。
盗聴は一般的に以下のように定義されています。
盗聴(とうちょう)とは、会話や通信などを、当人らに知られないようにそれらが発する音や声をひそかに聴取・録音する行為である。聴取した音声から様々な情報を収集し、関係者等の動向を探る目的で用いられることもある。
https://ja.wikipedia.org/wiki/盗聴
要約すると盗聴とは「当人らに知られず会話の内容を聞いたり録音したりする」という行為です。
この意味は範囲が広く、盗聴器や録音機を使用して会話を聞くことも盗聴となりますし、隣の部屋から聞こえてくる会話を聞く場合や、アパートの室内で廊下の会話を聞く場合も盗聴と言えます。
会話をしている当人らに気づかれないまま聞こえる会話が全て盗聴となることから、盗聴の意味はとても範囲は広いと同時に、盗聴そのものを単純に違法と出来ないこともわかります。
プライバシーの権利
私たちには「個人に関する情報をみだりに第三者に開示または公表されない自由」というプライバシーの権利があります。
盗聴では個人に関する情報を得ることもあり得るため、盗聴対象のプライバシーの権利、つまり第三者への情報の開示には慎重になる必要があります。
浮気調査など最終的には盗聴した内容を利用したいといった場合には、情報はその開示を含め法律の専門家に相談しながら慎重に取り扱いましょう。
盗聴が実際に行われるシーン
盗聴は実際にはどのような理由で行われているのでしょうか。
当店お長年の経験から紹介します。
浮気調査
浮気調査は代表的な盗聴の理由です。
相手が浮気しているかどうか疑いがある場合に盗聴し、浮気の事実を確認します。
同時に場合によっては録音し、証拠を記録します。
浮気調査の目的は、相手に浮気をやめさせたい場合もあれば、離婚調停などで条件を有利にするためといった場合もあります。
いずれにしても盗聴をするのは浮気をされている側、いわば被害者側となり、その目的は自己防衛です。
DV調査
DVは配偶者や親密な関係にある者からの暴力行為のことを指し、ドメスティック・バイオレンスの略です。暴力には肉体的なものも精神的なものも含まれます。
主なものとしては配偶者からの暴力と、親子間の暴力が挙げられます。
肉体的な暴力については、度を過ぎるとアザや出血などから病院で疑いがかかり判明する場合もありますが、軽度のものやそもそも病院に行かないといった場合には判明が遅れる場合もあります。
精神的な暴力については外見上わかりにくいため、さらに判明が遅れる可能性があります。日常的な精神的虐待から精神疾患となり病院にかかったり、栄養失調で健康状態が大きく損なわれた段階で判明したりします。
DVは加害者が家族内にいること、そして加害者が家族内において支配的な立場に位置することから、家庭の外部からは見つけることが困難です。
盗聴によってDVの被害をしっかりと記録し、証拠としながら外部に助けを求めることが可能です。
素行調査
子どもや配偶者の素行が心配な場合にも盗聴が役立ちます。
例えば友人が集まる部屋の中でいったいどのような会話をしているのか、友人達と出かける車内でどのような会話をしているのか、それがわかれば非行や悪事に関わることを未然に防げるかもしれません。
社内調査
例えばある従業員が他の従業員をそそのかし、一斉退職を画策している疑いがあるかもしれません。
人が集まる社内では、色々な人が集まるので様々な問題が起こる可能性があり、場合によっては事業にとって致命的となりかねません。
このような時には問題を速やかに解決することが事業継続にとって大切です。
この状況把握に盗聴が役立ちます。
職場のいじめやハラスメント
職場でもいじめはありますし、セクハラやパワハラなどのハラスメントも存在します。
この場合も同じ職場内に加害者が存在し、多くの場合加害者の方が職場での立場が上だといった傾向があり、それが問題の解決を難しいものにしています。
問題の解決のために上司に掛け合ったり、法的に行動を起こすといった場合においては問答無用の証拠が何よりも大切です。
こういった証拠の収集と記録のために盗聴が役に立ちます。
会議
町内の会合や会議など、議論が白熱すると口論になったり、言った言わないの問題が起きます。相手によっては恫喝されることすら考えられます。
会議の内容を記録することは、こういったトラブルが起きた時に役に立ちます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は盗聴の意味と、盗聴に深く関わるプライバシーの権利、そして実際に当店を利用される方の盗聴活用例を紹介しました。
こうして考えてみると、盗聴をする人はどちらかというと被害者であり、自己防衛のために、やむを得ず行うのだということがよくわかります。
もちろん盗聴を悪用する方も存在するでしょう。しかしこれは包丁で料理をする人もいれば人を殺す人もいることと同様に、悪いのは物ではなく使う人です。
現在インターネットでは盗聴という意味が広範に渡るにも関わらず、「盗聴犯」という言葉で一括りに悪者にしています。これには違和感しか感じません。
盗聴によって社会的弱者や犯罪被害者(DVなどはまさしく犯罪です)が救われることもまた事実です。
今回紹介した盗聴の理由を参考に、現状を諦めず、必要な場合には盗聴器の活用も検討しましょう。
なお、盗聴で知り得た個人情報の扱いは法律の専門家に相談しながら慎重に行うことをお勧めします。