盗聴発信器は電波を発信する盗聴器ですが、複数の盗聴発信器を使って同時に盗聴する場合には混信によって聞こえなくなることがあります。
今回はこのような混信による失敗をしないための方法を解説します。
混信とは電波が混ざってしまうこと
電波は使い方によっては空中で混ざってしまうことがあります。これを混信といい、無線では良好な通信をするために絶対に避けなければならない現象です。
混信は周波数が同じか、周波数が近い電波同士が同じ空間に存在した場合に起こります。互いの電波は単独で存在できず、お互いに混じり合ってしまう現象です。
混信は電波が重なる場所でのみ発生し、その場所で受信した場合にに限り電波は単なるノイズとなり、受信しても雑音しか聞こえません。電波が重なっていない場所では電波が届いている盗聴器の音声は正常に聞こえます。
混信は私たちの身近でも体験することができます。例えばBluetoothのイヤホンで音楽を聴きながら電子レンジを使うと、音楽が途切れたり聞こえなくなったりすることがあります。この現象も混信で、Bluetoothの通信電波と電子レンジが発するノイズ電波の周波数が近いために起こります。
この混信は、互いの電波が同時に届く範囲内で複数の盗聴器を使用した場合にも起こります。それぞれが発信した電波が、同じ周波数だと混ざってしまい、うまく受信できません。
混信を避ける方法
混信を避けるためには周波数が同じにならないようにします。
盗聴器にはこの混信を避けるために3種類の周波数の製品が用意されています。これをそれぞれAバンド、Bバンド、Cバンドと呼んでいます。この使用しているバンドが盗聴器同士で重複しなければ混信は起きません。
それぞれの電波を受信するときは周波数が違うため、受信機でその都度聞きたいバンドを選んで聞くことになります。
混信は意外と起こる
このような混信は実際に起こりうるのでしょうか。
実はこの盗聴器の混信はありがちです。
最も多い原因は、同じ家の中に複数の盗聴器を仕掛ける場合です。
例えば配偶者の浮気調査のため、リビングと寝室に2つの盗聴器を仕掛け、それを自室でモニタリングするとします。このケースでは2つの盗聴器の電波がどちらとも自室に届いていれば盗聴可能です。
しかしもし、仕掛けた2つの盗聴器が同じバンドのものであれば、周波数が同じなので混信してしまいます。結果として受信機で聞こえるのはノイズ音だけとなってしまいます。
このように混信を考慮せずに仕掛けてしまうと、偶然同じバンドの盗聴器だったときに混信してしまいます。確実に混信を避けるためにはバンドの違うことを確認しながら仕掛けてください。
盗聴器を追加で設置する場合も同様に、現在使用している盗聴器のバンド以外のものを設置するように注意してください。
最後に
盗聴器は仕掛け直すのが大変な場合もあります。せっかく設置した盗聴器が混信を起こし、大事な情報収集のタイミングを逃すことだけは避けなければなりません。
電波の特質や混信などは、一般の方々には馴染みがないものと思いますが、盗聴を確実に成功させるためには大切なポイントです。
今回の内容をしっかりと理解し、盗聴を成功させるためにお役立てください。