離れた場所からでも会話を聞くことができるのが盗聴器。皆さんの盗聴器に対するイメージはこのようなものではないでしょうか。
しかし距離とはいっても実に様々です。隣の部屋の場合もありますし、上階や下階、家の外から聞く場合、県外や移動する車の車内を聞きたい場合もあります。そして、使用距離に応じて適した盗聴器が異なります。
今回は使用距離と、それに適した盗聴方法、方法ごとの特徴を紹介します。
0m
0mという表現は少し極端ですが、これは会話を聞きたい部屋が隣接しているというイメージで捉えてください。
このような場合には、コンクリートマイクが最適です。
コンクリートマイクの特徴
- 仕掛ける必要:なし
- 電波:未使用
- リアルタイム性:あり
コンクリートマイクは壁やドアや窓の向こう側の会話を聞くことができる機器です。
構造物の反対側の会話による空気振動が構造物に伝わり、わずかな振動として伝達されたものを、人が聞こえるように増幅します。
この振動は固い物を伝わる特性がありますので、遮る構造物が中空構造以外であれば、反対側から聞くことが可能です。
コンクリートマイクは聞きたい部屋に何も仕掛ける必要がないことが最大の特徴で、会話をリアルタイムに聞くことができます。
0〜50m以内
50m以内の距離であれば盗聴器が最適です。
盗聴器の特徴
- 仕掛ける必要:あり
- 電波:使用
- リアルタイム性:あり
盗聴器は聞きたい部屋の室内に仕掛けることで、離れた場所で電波を受信して会話を聞くことができます。
盗聴するためには会話が行われる室内に、事前に盗聴発信機を仕掛けておく必要があります。
コンクリートマイクが使用できないような中空の構造物を介した場所、例えば上階や下階、同じ家の離れた部屋、部屋に隣接する表通りなどで使用できます。
電波を使用するのでリアルタイムに聞くことができ、コンクリートマイクと比較すると構造物の固さなどに左右されることなく明瞭に会話が聞こえます。
50m以上
50m以上の場合には録音機の使用が最適です。距離があるため他の方法はありません。
録音機の特徴
- 仕掛ける必要:あり
- 電波:未使用
- リアルタイム性:なし
この距離になると盗聴器の電波は安定して届きません。100mを越えればほぼ電波は届かないと考えるべきです。
このような場合には電波の使用は考えず、リアルタイム性を捨てて録音機で盗聴する以外に方法はありません。
録音機を対象の部屋や車内に仕掛け、録音し、後日回収して録音内容を確認します。
録音機は遠方で使用する可能性が高いことから、運用も長期間となるケースがあります。選ぶ時には電池の寿命や、録音容量を十分に考慮します。
まとめ
今回は盗聴したいターゲットとの距離に応じて、適した盗聴方法を詳しく解説しました。
それぞれの方法によって、仕掛ける必要性の有無やリアルタイム性など特徴が異なります。
例えば証拠写真の撮影が目的であれば、多少無理をして近くで待機したとしてもリアルタイム性を重視すべきです。単なる会話の証拠記録が目的であれば、リアルタイム性を捨てて録音機で良いかもしれません。
今回の内容が、皆様の状況と必要性に応じた最適な盗聴方法を選ぶ参考になれば幸いです。
わからないことや相談などあれば、どのような内容でも構いませんのでお気軽にお問い合わせください。