プロ棋士対コンピュータの将棋対決「電王戦」が開催されました
先週の土曜日、将棋のプロ棋士とコンピュータソフト「ボンクラーズ」との世紀の一戦が行われました。 対局の模様はニコニコ生放送で中継され、私も10時から終局まで観戦しました。 プロ棋士の代表は米長邦雄永世棋聖ですが、現役を引退している棋士です。(日本将棋連盟の会長です) コンピュータの代表は昨年行われたコンピュータ世界将棋トーナメントで優勝した「ボンクラーズ」というソフトです。 (開発には富士通などが関わっているようです) 持ち時間は3時間で、内容はコンピュータの圧勝でした。 戦前の予想でもコンピュータの方が引退プロ棋士よりは強いとなってましたが、想像以上の圧勝劇でびっくりしました。 後手番になった米長永世棋聖は相手陣に全く踏み込めず防戦一方で、守備を一手でも間違うと崩壊するという精神的に辛そうな戦いで、唯一の希望が入玉という選択肢のなさでした。 コンピューターにいくつかある弱点の一つとして入玉対策が整備されていないという事もあり、恐らく米長氏が勝つには入玉を目指すしかなかったと思います。 しかしコンピューターは氏の入玉を許さず勝ちきりました。 コンピューターの玉は全く攻められず、王手を一回もされないという圧勝でした。 コンピューターが1秒間に何千手、何万手読むかは知りませんが、終盤での正確な差し回しは現役のプロ棋士でも互角の勝負になるのでは?と思わせるものがありました。 対局が終わった後の会見での米長氏は、すっかり将棋連盟会長の立場に戻っており、ときおりジョークを混じえて話す言葉の内容がかっこよくて好感が持てました。 そして今年はコンピューターとプロ棋士の対局はこの1番で終わりだが、来年は現役プロ棋士5人とコンピューターソフト5つで5番勝負をするという事が発表されました。 ようやく現役のプロ棋士とコンピューターソフトの対決が実現するわけです。 来年の話をしたら鬼が笑いそうですが、将棋ファンにとって早くも来年が楽しみで待ち遠しくてたまらないです。 現役プロ棋士の5人は恐らく若手から選抜されるとは思いますが、最終的にはタイトル経験者の羽生さん、渡辺さん、久保さん、森内さん、佐藤さんとコンピュータの対局が見てみたいです。 その為にはコンピュータに若手プロ棋士に勝ってもらって、頂上にいるボス達を引きずり出してもらわねばならないので、しばらくはコンピュータソフトを応援する事になりそうです。 もしも近い将来、羽生さんや渡辺さんなどの現役頂上棋士がコンピュータに負けてしまうと、それはそれでショックですが、将棋界もコンピュータと敵対するのではなく仲良く付き合ってお互いが成長していければいいのかなとも思います。 1秒間に考える手数ではどうしてもコンピュータに人間はかないませんが、インスピレーションやひらめきで対抗して欲しいです。 将棋において人間よりもコンピュータの方が強い時代がすぐそこまで来ています。 みなさんはこの現実をどのように受け止められるでしょうか?