震災と経済とボランティア
先月11日の東北太平洋沖地震の震災・津波の災害から間もなく一ヶ月が経過しようとしています。 最初は津波の威力の凄まじさに驚かされ、その後は行方不明者の救出や被災者への支援、原発事故などさまざまな報道を見てきました。 そしてこの未曾有の災害は長期的な問題を残して行きました。 被災地の復興については今後何年かかり、費用もいくらかかるのか全く見当が付かない規模です。 原発事故で放射性物質が流出していますが、原発の事態が終息するまで数年かかり、周辺の環境が正常に戻るまでは、これまた何年・何十年かかるか想像が出来ません。 東京電力の電力供給不足の問題で、関東圏を中心に日本の経済活動への影響も私なんかには計り知れないし、日本全体の自粛ムードによる経済活動の停滞も予想されます。 などなど素人の私が考えても震災の人・地域・経済・社会へ与えた損害は甚大だと認識するしかありません。 これらの問題が解決しても、その先には将来このような災害からどうやって生活を守るかや、首都機能の複数移転の必要性、原発に頼ってきたエネルギー行政のあり方など、まだまだ問題が山積しています。 最近テレビで東北の企業の取材が放送されていて、社長さんが言ってた言葉が印象に残りました。 「被災地への支援物資や募金などは本当にありがたい。でも、今後も継続して支援する気持ちがあるなら東北の物を買って下さい。東北の物を買う事が支援してる事と同じですから。そして、今回の震災や電力不足に影響されない関西や九州の人は出来るだけ普段と変わらない生活をして下さい。被災を気遣って自粛されると、実は被災地にその影響が出ます。花見もして、宴会もして、休みの日は遊んでこれまで通りの生活をして下さい」 この社長さんの言葉にいろんな答えが凝縮されている気がしました。 東京の石原都知事が花見の自粛を呼びかけたそうで、確かに電力の問題などはあるでしょうが、東京で花見を自粛して困るのはお酒を造っている会社だったりする訳で、花見やお酒にかかわらず、そういう構図がたくさんあるんだろうと思います。 関東は電力不足の影響を受ける地域なので、何も考えずに以前通りの生活を送るという訳にはいかないでしょうが、必要以上に自粛をしない、遊んでいる連中を非難しない事などが大事なのではないでしょうか。 そして募金や支援活動する人を「偽善者」と批判するのもやめましょう。 募金や支援は受け取る相手側がどう思うかが重要で、送り手の感情など関係ないのですから。 何もしない善意より、何かをする偽善の方が世の中の役に立ちます。 だって、お金に色は付いてないんですから。 最後に義援金と支援金の違いとは。 義援金は日本赤十字社や赤い羽根で有名な中央共同募金会の2団体で使用され、被災状況を調べて総額を公平に被災者に分配しますが、その反面調査に時間を要し、今回のような大規模災害の場合、分配まで1年以上かかると予想されています。 支援金はNGOやボランティア団体へ贈られ、各団体は基本的に即支援活動に使われます。 このように義援金と支援金の性格に違いはありますが、どちらも被災者の役に立ってるのは間違いありません。